標準的な運賃とは|荷主向け・値上げの読み解き方

News標準的な運賃とは|荷主向け・値上げの読み解き方

「標準的な運賃」という言葉を、運送会社からの値上げ要請の文書で目にした荷主担当者は少なくないはずです。令和6年3月の運賃の目安と燃料サーチャージのしくみ、荷主との交渉の実態を、運ぶ側の立場から整理します。

荷主担当者とトラック運送会社の担当者が見積書を挟んで打ち合わせをしている様子

標準的な運賃とは何か──令和6年3月の見直しで何が変わったか

標準的な運賃は、運賃交渉力の弱いトラック事業者が適正な運賃を収受できるよう、国土交通省が示す運賃の目安です。平成30年の貨物自動車運送事業法改正を受け、令和2年4月に告示されました。

転機は令和6年3月です。燃料高騰分などを踏まえ、運賃水準が平均8%引き上げられ、燃料サーチャージ制度も新たに盛り込まれました。詳細は国土交通省の報道発表で公表されています。

荷主との運賃交渉はどこまで進んでいるか──国交省調査が示す実態

国土交通省が令和8年3月に実施した実態調査では、運賃交渉を行った事業者は約90%。このうち荷主の理解を得られた事業者は約78%でした。事業者全体で見れば、交渉について荷主の理解を得られたのは約70%です。

推移で見ると、令和4年度68%、令和5年度71%、令和6年度74%、令和7年度は90%。前年度比16ポイント増です。荷主の理解の内訳は、希望額を収受できた事業者45%、一部収受33%、応じてもらえなかった事業者6%となっています。

ただし令和7年度調査には注意点があります。サンプル数は過去調査より少なく、回答者の地域構成も前年度と大きく違う。単純な比較には留保が必要だと、国交省自身が注記しています。現場では待機料や荷役料、高速料金、深夜割増などへの理解が進む一方、法的根拠のない附帯料金には応じられないという声もあります。

燃料サーチャージと附帯料金、見積のどこに何が乗っているか

燃料サーチャージは、燃料価格の変動分を運賃と切り分けて収受する仕組みで、令和6年3月の見直しで新たに盛り込まれました。運賃そのものと、待機・荷役・高速料金・深夜割増といった附帯料金は、本来別の項目です。

当社は愛知県高浜市を拠点に、東海地方を中心として関西・関東の内陸部まで配送しています。鋼材や長尺物、建築資材のチャーター輸送では、見積の運賃と附帯料金を分けて示すようにしている。どの費用が何に対応するか荷主側で確認できる形が、交渉の土台になると考えています。

トラック適正化二法で何が変わり、何がまだ変わっていないか

令和7年6月11日、貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律と、貨物自動車運送事業の適正化のための体制の整備等の推進に関する法律が公布されました。あわせて「トラック適正化二法」と呼ばれています。

このうち、事業者の許可更新制度の導入と、国が定める「適正原価」を下回る運賃・料金の制限は、公布から3年以内に政令で定める日から施行の予定で、現時点ではまだ施行されていません。詳しくは国土交通省のページで確認できます。

見積の内訳を分けて示すという、私たちの考え方

標準的な運賃は、あくまで目安です。荷主にとってはコスト増そのものが重く、数%の値上がりでも経費への影響は小さくありません。運賃と附帯料金は分けて説明するようにしています。事業内容はサービス紹介ページでもご覧いただけます。

見積の内訳のほか、荷待ち時間や物流2026年問題への対応についても、荷主企業から相談が増えています。「荷待ち時間削減は荷主から始まる|発生源と現場の打ち手」と「物流2026年問題|CLO選任後に荷主が今すぐできる現場対応」で取り上げています。

運賃の内訳や附帯料金の考え方について、疑問があれば、当社のお問い合わせフォームからご連絡ください。

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